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座って休める、まちのクリニック
集合住宅が立ち並ぶ地域にある南越谷内科クリニックの待合室を、診療のためだけでなく、住民がゆるやかに集う「地域ケア」の拠点として捉え直す改修プロジェクトです。NPO法人チア・アートの一員として、対話から基本設計、実施設計まで一貫して手がけました。
計画の中心に据えたのは、イベント時の配置換えにも対応できるボックス型の造作ソファでした。普段の待合としての落ち着きと、催しの際の柔軟さ。その両立を目指し、分割・再構成が可能なかたちを採用しています。
高齢者の利用を想定し、座面と背面の硬さ、座面の高さ、立ち座りのしやすさを何度も確かめながら調整しました。ヒノキ材の木部は、触れたときに冷たさや緊張を感じさせないよう、角の処理や表情にも細かな配慮を施しています。
待合空間全体としては、壁紙の貼り替えとソファ生地の色合いを丁寧に整え、クリニックのコーポレートカラーであるオリーブ色を軸に、わずかな明るさと賑わいを感じる三色で構成しました。雑多になりすぎず、整えすぎない。生活感を消し切らないことで、この場所が「日常の延長」として機能することを意識しています。
また、窓辺には院長宅に長く眠っていたトチの木のテーブルを製材し直し、新たな窓辺のカウンターとして設えました。過去の時間を引き継いだ素材が、待合室に静かな奥行きを与えています。
医療施設でありながら、少し肩の力を抜いて過ごせること。
ここで交わされる会話や沈黙が、地域の日常として自然に積み重なっていくこと。
そのための空間と体験を、最後まで引き受ける仕事でした。
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