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建築探訪『ザ・プリンス京都宝ヶ池(村野藤吾)』@京都市左京区

  • 執筆者の写真: 園家 悠司
    園家 悠司
  • 2023年4月18日
  • 読了時間: 2分

本ホテルは村野藤吾の最晩年作品の一つですが彼自身は1984年に逝去されていますので、最後の2年間はスタッフに引き継がれ1986年に竣工を迎えました。豊かな林の中、緑青の傘を被った楕円筒の客室棟を緩やかな広めのアーチを連続させた三角平面の低層部が包み込むように建っています。低層部の煉瓦積みの外壁は柔らかいベージュ色の石材と目地は石材面とほぼフラットに塗り込められており、「旧村野・森建築事務所」の外壁と同じ柔らかさを感じます。

客室棟の内庭はまた別世界です。建物側から中庭の中心に向かって緩やかな山なり型をしていて、ここにも緑がたくさんあります。周りの音から遮断されとても静かな中庭に、豆型と楕円形の階段室が聳え立っています。箱庭の静けさと大きな造形が自身に迫ってきますが、圧迫感はなく眠っている大きなジンベイザメを傍で眺めているような心地になりました。


村野藤吾作品には昔から何か"動物感"のようなものを感じて好きでした。それは特に後期作品がウネウネとした曲線形の平面や立面を持っているからなのか、絨毯敷きの広い床がそう感じさせるのか、渡辺節建築事務所時代に学んだ建築様式の影響なのか、理由はよくわかりません。何となく、彼は空間や造形や素材を見た時に感じている重力が他の人とは明らかに違っていたのかもしれないと、彼の建築修養ではない部分を妄想してみました。



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