形旅『愛宕神社』@千葉県市川市
- 園家 悠司

- 2023年4月29日
- 読了時間: 2分
愛宕神社は「火伏せの神様(火防の神)」として広く知られているそうです。御祭神は軻遇突智命(カグツチノミコト)=火之迦具土神(ヒノカグツチノミコト)、つまり火の神様です。「伊邪那岐神(父)と伊邪那美神(母)の間に産まれた神。しかし火の神であった為に、出産をした伊邪那美神が火傷を負い死んでしまう。これに怒った伊邪那岐神に殺されてしまうが、火之迦具土神の流した血から数々の神が生まれる事になる。(WEB:八百万の神より引用)」というのが火之迦具土神のストーリーだそうで、つまり母を死なせてしまった仇子(アダ・コ)から愛宕(アタゴ)と転じたという説があるそうです。
総本山は京都北西愛宕山に鎮座する愛宕神社で、京都(みやこ)を周囲から守る「境界の神(塞の神)」であり、東の比叡山と対をなす存在だそうです。西暦700年頃(奈良時代)に愛宕山で修行した修験者が全国に愛宕信仰を広めたという説があります。
火の神が火伏せの神として全国に広まるのは面白い話ですね。また別の説では火の神が転じて勝利の神という話もあるそうです。私としては境界の神というのは面白いと思いました。火事の多かった江戸では、愛宕神社が防火の避難場所にもなったそうです。火防の神がいる土地がそのまま火の来ない境界線になったのです。
この千葉県市川市の愛宕神社の由緒書には御祭神 軻遇突智命は「山姫命(ヤマヒメノミコト)と結ばれ、五穀を司る稚産霊神(ワクムスイノカミ)を産んだことにより農業の護神として篤い信仰をえている」と書かれています。
本愛宕神社は江戸川沿い、矢切りの渡しから東へ矢切大坂を登った国府台という地名の台地の上に鎮座しています。
台地の下の広い河川敷は田畑に使われ、台地の上は住宅街が広がっています。
火防の神様に子供ができて農業の神様ともなり、川沿いの田畑を眺めながら、台地の"境界線"で人々の生活を見守っているという構図は、神社の意味合いかくあるべしと言ったところではないかと思う次第です。











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