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建築探訪『水戸芸術館(磯崎新)』@茨城県水戸市

  • 執筆者の写真: 園家 悠司
    園家 悠司
  • 2023年4月21日
  • 読了時間: 2分

<<当館を設計した建築家の磯崎新氏は、昨年12月28日に沖縄にて逝去されました。本展は磯崎氏を偲び、2019年に当館で開催した「磯崎新―水戸芸術館 縁起―」展の再現とともに、磯崎氏のシルクスクリーン版画作品、当館設計時の資料等を展示いたします。>>(水戸芸術館HPより抜粋)会期は2023年3月1日〜6月25日。

平日に見に行けたので静かにじっくりと資料を見学することができました。水戸藩の御湖"千波湖"の北側、西から東へ向かって伸びる馬の背の真ん中北寄りに水戸芸術館はあります。水戸の中心市街区は岬のように突き出た馬の背状の丘の東端、旧水戸城に向かって線形に伸びており、真ん中を走る国道50号から一本奥へ入ると街の裏側になってしまう都市構造をしています。水戸芸術館の基本理念はこれを改善し市街区を活性化させるために"面的な都市像に変換すること"が重要であると提案されました。水戸芸術館は中心の広場を囲うように劇場や塔が計画されており、これは「都市広場(諸施設に囲まれながらも人を招き街に開かれた構造)」が面的な都市構造のきっかけになるという考えによるものです。

また計画の中で塔の役割についても説明されています。<<塔は都市のスカイラインを生む重要な要素である。それは、遠望されるとともに、その上から展望するという二重の役割を与えられている。>>

過去、馬の背の先端にあった水戸城は水戸の町一円を展望する位置にありました。氏の言う"塔の役割"と同じだったかもしれません。

今回もう一つ、「還元シリーズ」という磯崎氏の版画作品も展示がされていました。建築図面に本来あるべき背景や周囲の環境を排して建築の図像のみを象った版画で、還元された建築の原始形態を「100年後残るであろう紙」に写しとった作品です。


以下は私個人の感想ですが、塔というシンボリックな造形から等身大を超えた視野を得ようとすること、パピルスの文書のように建築を情報化して遠い未来に伝達しようとすること、そんなことをこそ建築屋は思案するべきなのかもしれないとこの建築を通して思うに至りました。



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