形旅『楞厳寺(リョウゴンジ)』@茨城県笠間市
- 園家 悠司

- 2023年4月11日
- 読了時間: 2分
笠間盆地は元々12の里に分かれていたことと、低山が周囲を丸く盆地を囲んでいることから、昔の人が雨の時にかぶっていた「すげ笠」をひっくり返したような所ということで、「笠間」という名がつけられたそうです。
楞厳寺は「すげ笠」の北西、箱田の里の山腹にあります。創建がいつかは明らかではありませんが、笠間氏(鎌倉時代からの領主)の菩提寺として再建されました。鎌倉時代に宇都宮を治めた下野宇都宮一族の宇都宮時朝が笠間へ移り、笠間時朝と名を改めこの地を治めたことによります。箱田は栃木県宇都宮から茨城県中部(笠間)へ抜ける重要なルートであり、この道は現在でも「栃木県道・茨城県道1号宇都宮笠間線」として使われています。宇都宮から移ってきた笠間氏が宇都宮に一番近い北西の楞厳寺を菩提寺としたのです。ちなみに、楞厳寺(リョウゴンジ)という名前になったのは室町時代になってからのことで、山号を仏頂山・寺号を楞厳寺、律宗改め禅宗の寺院となりました。
入り口として田んぼの真ん中に茅葺き屋根の山門(国指定重要文化財)が建っています。これは室町時代中頃(15世紀前半)に建造されたものと考えられており建築様式は禅宗様で茅葺屋根で分かりづらいですが、屋根の強い反りが特徴的です。
楞嚴寺は元々、この山門の周辺にあったそうですが寛永8年(1631年)の火災で焼失。その後、奥ノ院だった山腹の石段上がってすぐの所にある観音堂を仮本堂として使用し始め、その裏に現在の本堂が再建されましたため、山の中に伽藍がある格好になっています。
笠間盆地東部の佐白山・笠間城跡と合わせて是非ともお立ち寄りいただきたいスポットです!













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