形旅『歌うたい石(巨石)』@茨城県笠間市
- 園家 悠司

- 2023年4月27日
- 読了時間: 2分
笠間盆地東側にある佐白山に南東から登っていくと、車道の右手に「歌うたい石散策路 歌うたい石まで440m」と描かれた花崗岩でできた白い石造の標識が立っています。はじめ20段ほどは花崗岩の階段が山道へ続いているのですが、その先は完全に獣道。「え?このまま進んで大丈夫かな?」と不安になってくるのを堪えてまだ先へ進むと、全身に汗がじんわりしてきた辺りでまた平置きの花崗岩の階段が出てきます。ちょうど茂みを迂回したところで目の前に突然巨石が現れます。この巨石が歌うたい石なのですが、その説明の石碑が足元にあり要約すると、「高柳大納言という公卿が島流しになり笠間の地に来ました。その時この巨石の上で、都を懐かしんで和歌を詠んだ」というのが歌うたい石の名前の由来だそうです。
歌うたい石は裏に回って石の頂部へ登ることができます。頂部は3畳ほどの平らな舞台のようになっていて、ここで高柳大納言が和歌を詠んだのでしょう。神秘的な巨石で森の奥深くにあることも相俟って神聖な空気の漂う場所だと感じました。知られざるパワースポット?みたいな感じです。
帰り道は来た道を折り返すことなく巨石の裏の道をさらに進みます。木に縛り付けられたピンク色のリボン頼りに竹藪を行きと同じくらい進むと、ようやっと車道に出ます。出口の脇には「歌うたい石散策路 歌うたい石まで590m」と描かれた石碑がありました。総距離1030mのちょうど中間くらいの山の中に巨石があるのですから、もっとしっかり山道整備しないと人が入って行きづらいかなとは思いますが、でもなんだかとても良いものが見られた気がします。有名な観光地もいいですが、その地域ならではの名所や伝承地を巡るのも面白いものですね。
山道の途中、歌うたい石ほどの巨石がいくつか見られました。笠間周辺から南の筑波山まではこういった巨石が山中にあることが多く、ボルダリングが盛んなエリアとして有名だそうです。佐白山笠間城跡の駐車場で、山からマットを持って降りてくる人がいて「何だろう?」と思っていましたが、このためだったのですね。












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