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形旅『浜名湖(猪鼻湖)』@静岡県浜松市

  • 執筆者の写真: 園家 悠司
    園家 悠司
  • 2023年5月12日
  • 読了時間: 2分

静岡県西部は令制国(旧国名)の頃、遠江国(トオトウミノクニ)と呼ばれ、意味は「(京都から)遠い淡水の海(遠淡海:トオツアワウミ)」つまり浜名湖が国名の由来でした。遠淡海と呼んでいたものがいつしか「浜名のうみ」と呼ぶようになり現在の浜名湖という名前に至ったそうです。ちなみに滋賀県は「(京都から)近い淡水の海(近淡海:チカツアワウミ)」である琵琶湖があることから近江国(オウミノクニ)と呼称されました。

縄文海進の頃浜名湖は海とつながる内湾でしたが、時代が進むにつれ海面が後退し一旦は完全な淡水湖となります。令制国名がついたのはこの頃でしょうね。ところが1498年(室町時代)に起きた大地震により湖と海を隔てていた沿岸部が決壊し海水が流れ込みます。そのため、現在に至るまで浜名湖は淡水と海水が混じり合う"汽水湖"となっているのです。この決壊部分は幅200mほどで今切口(イマキリグチ:今切れたという意味)という地名で残っています。戦国時代に武田軍が徳川方の高天神城(静岡県掛川市付近)を攻めた時、徳川の援軍として送られた織田軍が交通の難所である今切口で往生しているうちに高天神城は武田軍に落とされてしまったという話も残っています。

浜名湖は面積が日本で10番目の湖でありながら、とても入り組んだ海岸線であるためその周長は琵琶湖・霞ヶ浦に次いで日本3位の長さがあります。汽水湖では日本最長です。そのため各入江ごとに名前があり、本写真は北西部の猪鼻湖になります。大崎半島と本城山との間の猪鼻瀬戸で浜名湖本体とつながる支湖にあたります。大崎半島の先端にある岩山が猪の鼻に形が似ているからその名が付いたそうです。北西にある板築山方面から猪鼻湖を眺めていると、手前の広がる大きな湖の対岸にある大崎半島の丘の向こうにはさらに大きな水溜りが広がっているのかと思うと何やら恐ろしいような不思議な気持ちになります。



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